現代の相続において、最も厄介でトラブルになりやすいのが「デジタル遺産」です。結論から言うと、対策をしていないデジタル遺産は、ほぼ100%の確率で遺族を苦しめます。
なぜなら、デジタル遺産は「見えない」「開けない」「知らない」の三重苦だからです。通帳や権利証といった目に見える財産と違い、スマホやPCの中にひっそりと隠れている資産は、持ち主がいなくなった瞬間にブラックボックス化してしまうのです。
そもそも「デジタル遺産」ってなに?
「自分はビットコインなんてやってないから関係ない」と思っていませんか?実は、今の時代、スマホを使っているほぼ全員がデジタル遺産の保有者です。
- ネット銀行の預金(通帳が存在しない)
- ネット証券の株式・投資信託(郵送物が来ない設定が多い)
- ◯◯Payなどの電子マネー残高
- マイルやポイント(相続可能なものも多い)
- 月額課金(サブスク)サービスの契約
- SNSのアカウントやクラウド上の写真データ
これら全てがデジタル遺産です。特に金銭的な価値があるもの(ネット銀行や暗号資産など)は、相続財産として申告しなければなりません。
最大のリスクは「知らないのに課税される」こと
ここがデジタル遺産の本当に怖いところです。遺族がその存在を知らなくても、税務署は独自の調査網(銀行のお金の動きなど)を使って把握する可能性が高いのです。
遺族としては「隠していたわけじゃない、知らなかっただけだ!」と言いたいところですが、税務上は単なる「申告漏れ」として扱われます。結果、本来受け取れるはずだった資産がロックされて引き出せない上に、高額な追徴課税だけが請求されるという悲劇が起こり得ます。
本来納めるべき税金を期限内に正しく納めなかった場合に、ペナルティとして追加で課される税金のことです。延滞税(利息のようなもの)や、悪質な場合は重加算税などがあり、負担が非常に重くなります。
今すぐできる!家族を守る2つの対策
大切な家族を「デジタル遺産迷子」にさせないために、元気な今のうちにできることが2つあります。
1. 「財産の一覧表」を作る(パスワードは書かなくてOK)
まずは「どこの銀行」「どこの証券会社」を使っているか、という「場所」を特定できるリストを作ってください。パスワードまで書くとセキュリティ上不安であれば、「スマホのメモ帳のここにヒントがある」「金庫の中にIDを書いた紙がある」といった「辿り着き方」を示すだけでも十分です。
2. スマホのロック解除方法を共有する
全ての入り口はスマホです。スマホさえ開ければ、アプリの履歴やメールの通知から、利用している金融機関を推測できます。信頼できるパートナーや家族にだけ、ロック解除のパスコードを伝えておくか、エンディングノートに記載して封をしておくことを強くおすすめします。
デジタル遺産は、準備さえしておけば「宝の山」ですが、放置すれば「爆弾」になります。ご自身の資産を守り、スムーズに家族へバトンタッチするためにも、まずは「利用しているサービスの棚卸し」から始めてみませんか?
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