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「赤字だから税務調査は来ない」は都市伝説!?
赤字企業が狙われる意外な理由と対策

「うちは赤字決算だから、税務署なんて来るわけがないよ」と余裕綽々の経営者の皆さん、実はその油断が最も危険なサインです。確かに以前は黒字企業の方が狙われやすい傾向はありましたが、今は状況が違います。赤字企業にも税務調査は容赦なく入りますし、場合によっては黒字企業以上に厳しい追及を受けることさえあるのです。

なぜ赤字でも調査官はやってくるのか?「税金取れないじゃん」というのは大きな誤解です。今日はその知られざる理由と、絶対に押さえておくべき注意点を解説します。

赤字でも税務署が来る「3つの理由」

赤字=法人税ゼロ。だから調査しても国にメリットがない…というのは法人税だけの話です。税務署はもっと広い視点であなたの会社を見ています。

1. 消費税は「赤字」でも発生する

これが最も多い理由です。赤字であっても、給与の支払いや借入金の返済などは消費税の計算上、経費(課税仕入れ)になりません。そのため、決算書が赤字でも消費税の納税義務は発生することが多々あります。

特に、インボイス制度が定着した今、消費税のチェックは格段に厳しくなっています。「赤字だから」とタカをくくっていると、消費税の計算ミスや請求書の保存不備を突かれ、思わぬ追徴課税を受けることになります。

2. 「繰越欠損金」の真偽チェック

青色申告であれば、赤字(欠損金)を翌年以降10年間繰り越して、将来の黒字と相殺(=将来の税金を安くする)ことができます。

税務署からすれば、今のうちに「偽装された赤字」を見抜いておかないと、将来この会社が黒字になった時に、本来取れるはずの税金が取れなくなってしまうのです。今の赤字を否定することは、将来の税収確保に繋がるわけです。

3. 源泉所得税などの不正チェック

従業員の給料から天引きする源泉所得税や、契約書に貼る収入印紙。これらは会社の黒字・赤字に全く関係ありません。ここでのミスや不正は、経営が苦しい赤字企業ほど起こりやすいため、調査官も目を光らせています。

Aさん
先生!今期は大赤字だし、税務調査なんて絶対来ませんよね?経理もちょっと適当になっちゃってるんですけど…

それが一番危ないパターンです!むしろ「赤字なのに、なんでこんなに交際費が多いの?」とか、不自然な点はすぐに怪しまれますよ。
税理士

Aさん
えっ、バレますか?売上を少し来期に回して、赤字幅を調整しようかな、なんて思ってたんですが…

絶対ダメです!それは「重加算税」の対象になります。税務署のシステム(KSK)を甘く見てはいけません。同業他社と比較して異常な数字はすぐに見抜かれます。
税理士

調査官はここを見ている!「偽装赤字」のサイン

もっとも警戒すべきは、本当は黒字なのに、売上を抜いたり架空の経費を計上して、意図的に赤字にしているケースです。

税務署は「KSKシステム(国税総合管理システム)」という巨大なデータベースを持っています。ここでは同業種の平均利益率や経費率とあなたの会社を比較し、異常値があればアラートが出る仕組みになっています。「売上が急減しているのに、消耗品費や外注費が倍増している」といった矛盾は、調査官にとって格好のターゲットです。

【専門用語解説:重加算税(じゅうかさんぜい)】

事実を隠蔽(隠すこと)したり、仮装(ごまかすこと)して税金を少なく申告した場合に課される、最も重いペナルティの税金です。本来納める税額に加え、さらに35%〜40%もの税金が上乗せされます。赤字を装ったことがバレた場合、この重い処分が待っています。

調査を恐れないための「攻め」の対策

税務調査は「悪いことをしていなければ怖いものではない」のが本質です。しかし、何も準備していなければ、単純なミスを指摘され、修正申告の手間や無駄な追徴課税が発生しかねません。

対策はシンプルかつ強力です。

  • 証拠を完璧に残す:領収書、請求書、契約書はもちろん、メールのやり取りなど、取引の実態がわかる資料は整理して保存する。
  • 説明できる経理をする:「なぜこの経費が必要だったのか」を自分の言葉で説明できるようにしておく。
  • 専門家を味方につける:不安な処理は自己判断せず、決算前に税理士と入念に打ち合わせる。

赤字だからといって経営の手綱を緩めず、むしろ「いつ誰に見られても恥ずかしくない帳簿」を作ることが、結果として会社の信頼性を高め、銀行融資や将来の黒字化への近道となります。堂々とした経営で、次の成長フェーズを目指しましょう!

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