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Column

社長!その「お年玉」、税務署が見てますよ?
贈与税がかかる境界線と対策

お正月といえば、子どもや孫たちが楽しみにしている「お年玉」。経営者の方であれば、「昨年は業績も良かったし、孫にドーンとあげよう!」と張り切って渡した方、これから渡す予定の方も多いのではないでしょうか。

しかし、その気前の良さが思わぬ税金トラブルの引き金になるかもしれません。「お年玉に税金なんてかからないでしょ?」と思っているあなた、実はそれ、大きな間違いです。金額や渡し方によっては、しっかりと「贈与税」の対象になります。

原則は「非課税」。でも、条件がある!

まず結論から言うと、通常のお年玉は「非課税」です。税務署も鬼ではありませんから、お正月の風習にまで目くじらを立てたりはしません。

ただし、これには明確な条件があります。法律(相続税法)では、以下のものは贈与税がかからないと定められています。

  • 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの

この「社会通念上相当(しゃかいつうねんじょうそうとう)」という言葉がクセモノです。要するに、「世間一般の常識の範囲内かどうか」ということです。


Aさん
先生!昨年は会社が絶好調だったから、かわいい孫にポンと100万円くらいお年玉をあげようと思うんだ。現金ならバレないし、お年玉だから税金ゼロだよね?

社長、ストップです!いくら可愛くても、お年玉で100万円は「社会通念上相当」とは言えません。それは立派な「贈与」として扱われる可能性が高いですよ。

税理士

Aさん
えっ、ダメなの? じゃあ、いくらまでならセーフなの?

明確な金額の基準はありませんが、数千円〜数万円程度が一般的でしょう。100万円は明らかに「財産移転」の性質が強いと判断されます。
税理士

注意すべき「110万円」の壁と落とし穴

「じゃあ、贈与税がかからない110万円以内なら問題ないだろう」と考える方もいるでしょう。確かに、贈与税には年間110万円の基礎控除(きそこうじょ)があります。

【専門用語解説:基礎控除(きそこうじょ)】

贈与税の計算において、誰でも無条件に差し引ける金額のこと。1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も不要です。

しかし、ここにも落とし穴があります。

1. 「合計」で110万円を超えていないか?

110万円の枠は、「もらう人(孫など)」1人あたりの枠です。例えば、父方の祖父から100万円、母方の祖母から50万円のお年玉をもらった場合、合計150万円となり、110万円を超えた40万円部分に対して贈与税が発生します。

2. 「名義預金」になっていないか?

これが最も多いトラブルです。孫がまだ小さいからと、祖父母が孫名義の通帳を作ってそこにお年玉を貯金し、通帳や印鑑を祖父母が管理しているケース。

これは税務上、孫への贈与とは認められず、祖父母の財産(名義預金)とみなされます。将来、祖父母に相続が発生した際に、「孫にあげたはずのお金」に相続税がかかるという悲劇が起こります。

賢く渡して、気持ちの良いお正月を

せっかくの好意が税金トラブルの種になっては本末転倒です。以下のポイントを押さえて、賢くお年玉を渡しましょう。

  • 常識的な金額(数万円程度)にとどめる
  • 高額になる場合は、「お年玉」ではなく「教育資金の一括贈与」などの非課税制度の活用を検討する
    (※要注意:この制度は2026年3月31日で終了予定です)
  • 預金する場合は、必ず子や孫が普段使っている通帳に入金し、本人が管理できるようにする

「うちは大丈夫かな?」と不安になった方は、お年玉を渡す前にぜひ一度ご相談ください。正しい知識で資産を守り、笑顔で新しい年を迎えましょう!

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