結論から申し上げます。「ワンストップ特例」の申請書を出したからといって安心してはいけません。もしあなたが、医療費控除や住宅ローン控除などで「確定申告」を行う場合、提出済みのワンストップ特例申請はすべて無効(キャンセル)になります。
このルールを知らずに、「ワンストップの手続きは終わっているから、確定申告書にはふるさと納税のことを書かなくていいや」と処理してしまう方が毎年後を絶ちません。その結果どうなるか?本来受けられるはずの数万円〜数十万円の税金控除が、ゼロになってしまうのです。
せっかくの節税対策を無駄にしないために、よくあるミスと正しい対処法を解説します。
「ワンストップ特例」と「確定申告」の併用ルール
ふるさと納税の手続きを簡単にする「ワンストップ特例制度」。確定申告をしなくても寄付金控除が受けられる便利な仕組みですが、これには絶対的なルールがあります。
確定申告を行う場合、その理由が何であれ(医療費控除、株の損失繰越など)、「ワンストップ特例の申請」はすべてなかったことになります。
つまり、確定申告をするなら、ワンストップ申請をした自治体の分も含めて、すべてのふるさと納税の情報を改めて申告書に記載し直す必要があるのです。
よくある勘違いの事例
経営者や個人事業主の方だけでなく、普段は年末調整だけで済む会社員の方も、以下のようなケースで「うっかりミス」が多発しています。
他にもある!ワンストップ特例が「無効」になるパターン
確定申告との併用以外にも、ワンストップ特例が無効になってしまうパターンがあります。以下の条件に当てはまる場合は、必ず確定申告で寄付金控除の手続きを行ってください。
- 6自治体以上に寄付をした場合(5自治体以内ならOK)
- ワンストップ申請書の提出期限(翌年1月10日必着)に間に合わなかった場合
- 引っ越し等で住所が変わったのに、変更届出書を提出していない場合
特に「6自治体以上」は要注意です。同じ自治体に複数回寄付しても「1自治体」とカウントされますが、異なる自治体が6つを超えると、ワンストップ制度自体が使えなくなります。この場合、全ての寄付について確定申告が必要になります。
ミスに気づいた時のリカバリー方法
「もう確定申告書を出してしまった!」「ふるさと納税分を入れ忘れた!」という場合でも、諦めないでください。状況に応じてリカバリーが可能です。
申告期限内(3月15日まで)であれば:
訂正した新しい申告書を再提出すれば大丈夫です。最後に提出したものが有効になります。
期限を過ぎてしまった場合:
「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」という手続きを行うことで、過去5年分まで遡って控除を取り戻すことができます。ただし、手続きは少々面倒ですので、期限内の正しい申告がベストです。
住民税決定通知書で答え合わせを
ご自身のふるさと納税が正しく処理されたかどうかは、毎年5月〜6月頃に届く「住民税決定通知書」で確認できます。「寄付金控除額」の欄を見て、寄付した金額から2,000円を引いた額に近い数字が記載されていれば成功です。
中小企業の経営者様や個人事業主様にとって、数万円のキャッシュアウトは馬鹿にできません。制度の仕組みを正しく理解して、確実に節税メリットを享受しましょう。「自分のケースは大丈夫かな?」と不安な方は、申告前にぜひ私たち専門家にご相談ください。