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働きながら年金受給は「損」をする!?
「50万円の壁」と年金カットの残酷なルール

「65歳を過ぎてもバリバリ働きたい!でも、働くと年金が減らされるって本当?」

この質問、経営者やシニア社員の方から毎日のように相談されます。結論から言うと、一定以上の給料をもらいながら厚生年金に加入していると、老後の年金(老齢厚生年金)が減額、最悪の場合は「全額停止」になります。

せっかく汗水垂らして働いたのに、その分年金が消えていく……そんな「働き損」を防ぐために知っておくべき「在職老齢年金」の仕組みと、賢い対策について解説します。

恐怖のキーワード「在職老齢年金」とは?

年金をもらえる年齢になっても、会社に勤めて(あるいは会社を経営して)厚生年金保険に加入し続ける場合にもらえる年金のことを、専門用語で「在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)」と呼びます。

この制度には、稼ぎすぎると年金をカットするというルールがあります。その基準となるのが、ズバリ「50万円の壁」です。

【専門用語解説:50万円の壁(基準額)】

「毎月の給料(ボーナス込みの平均月額)」と「本来もらえるはずの年金月額」を足した金額が、50万円(2024年度・2025年度現在)を超えると、超えた分の半額が年金から差し引かれます。

計算式はシンプルですが、インパクトは強烈です。

(給料 + 年金)が50万円を超えた金額 ÷ 2 = 年金カット額(月額)

具体的にどれくらい減るのか、よくあるケースで見てみましょう。

Aさん
先生、聞いてくださいよ! 今66歳で、社長として役員報酬を月40万円もらってるんです。年金も月16万円もらえる予定だったのに、振り込まれた額がすごく少ない気がして……。

あちゃー、それは完全に「50万円の壁」に衝突してますね。計算してみましょうか。
給与40万円 + 年金16万円 = 合計56万円です。
税理士

Aさん
50万円を、6万円オーバーしてますね。

そうです。そのオーバーした6万円の半分、つまり月3万円が年金から没収されます。年間だと36万円の損です!
税理士

Aさん
えええ!働いた罰金みたいじゃないですか……。なんとかならないんですか?

年金カットを回避する2つの裏ワザ

Aさんのように「働いたら負け」のような状態にならないために、我々が提案する対策は大きく分けて2つあります。

1. 給与(役員報酬)の設定を最適化する

最も手っ取り早いのは、役員報酬の設定を変更することです。「給与+年金」が50万円ギリギリに収まるように給与を調整すれば、年金は満額受け取れます。

ただし、給与を下げすぎると生活費が足りなくなる可能性があります。会社の経費で落とせる社宅や出張手当などを活用し、「個人の手取り」を減らさずに「額面の給与」を下げる工夫が必要です。

2. 「個人事業主」として働く(最強の選択肢)

実は、この年金カットのルールが適用されるのは、「厚生年金に加入している人」だけです。

つまり、会社を退職して(あるいは役員を退任して)、個人事業主(フリーランス)として業務委託契約で働く場合は、いくら稼いでも年金は1円もカットされません。

  • 会社員・役員の場合:給与が高いと年金カット
  • 個人事業主の場合:年収1億円でも年金満額受給

この差は極めて大きいです。シニア起業や、定年後の再雇用を検討する際は、「雇われる」のではなく「請け負う」形にするのが、税務・年金的には最強のハックと言えるでしょう。

「働き損」と決めつけるのはまだ早い

ここまで「年金が減る」話ばかりしましたが、一つだけ注意点があります。

たとえ年金の一部が停止されたとしても、「給料+減らされた年金」の総額は、働けば働くほど増えていくのが一般的です。「年金が減るのが悔しいから働かない」と労働をセーブしすぎると、トータルの手取り収入は減ってしまいます。

重要なのは、「感情」で判断せず、「数字」でシミュレーションすることです。

「自分の給与設定だといくら減るのか?」「個人事業主になった方がトータルでお得なのか?」

このあたりは、年金事務所で試算してもらうか、私たち専門家にご相談いただければ一発でシミュレーション可能です。制度を正しく理解して、賢く「現役続行」を楽しみましょう!

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