「2024年問題」への対応、現場での調整は本当に大変でしたよね。まずはその激闘、本当にお疲れ様でした!しかし、息つく暇はありません。今、永田町では「労働基準法制定以来の大改正」と言われる議論が佳境を迎えています。来年(2026年)以降、中小企業の「働き方」はさらに劇的な変化を求められます。
特に衝撃的なのが、「14日以上の連続勤務禁止」と「勤務間インターバル制度の義務化」です。「知らなかった」では済まされない未来のルールについて、今のうちに先取りして解説します。
えっ、「14連勤」ができなくなる?
まず一つ目の大きな変更点が、連続勤務の制限です。
これまでの法律では、「4週間に4日の休日」さえあれば適法でした。極端な話、最初の4週間で休みを取れば、あとは48連勤しても違法ではなかったのです(もちろん36協定の範囲内ですが)。
しかし、新しい改正案では、健康確保の観点から「14日以上の連続勤務」そのものが禁止される方向で調整が進んでいます。
「勤務間インターバル」がいよいよ義務化へ
もう一つの目玉が、「勤務間インターバル制度」の義務化です。これまでは「努力義務(できればやってね)」でしたが、ついに「義務(絶対にやってね)」へと格上げされる見込みです。
仕事が終わってから、次の仕事が始まるまでに、一定時間(原則11時間)の「休息時間」を必ず空けなければならないルールのこと。睡眠時間を確保し、過労死を防ぐのが目的です。
例えば、「夜23時まで残業」した場合、翌朝は何時から働けるでしょうか? インターバルが11時間だとすると、以下のようになります。
【図解】インターバル11時間の場合
これまでのように「終電で帰って、翌朝一番に出社」という働き方は、物理的に(法律的に)不可能になります。これを守れないと、労働基準法違反として是正勧告の対象となります。
「つながらない権利」も明記?
さらに、退勤後や休日に上司から部下へ連絡することを制限する「つながらない権利」についても、法制化の議論が進んでいます。
「LINEでちょっと業務連絡」も、今後はパワハラや法律違反のリスクを孕むことになります。2025年の今のうちに、「休日は連絡しない・返信を求めない」という社内ルールを徹底しておくのが賢明です。
今すぐ社長がやるべきアクション
法律が変わってから慌てても手遅れです。以下の3点を今すぐチェックしてください。
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1
勤怠管理の徹底
「管理職だから打刻していない」は論外です。全員の労働時間と「退勤〜出勤の間隔」を把握できるシステムに見直してください。 -
2
業務の属人化解消
「あの人じゃないと分からない」仕事があると、その人は休めません。チームで仕事を回す体制づくりが急務です。 -
3
就業規則の予備点検
「インターバル制度」を導入した場合、始業時刻の繰り下げ規定が必要です。今の規則で対応できるか、専門家に相談してください。
労働基準法の改正は、単なる「ルールの変更」ではなく、企業の「生存戦略」そのものです。優秀な人材は「法律を守り、休みが取れる会社」を選びます。制度改正をチャンスと捉え、今のうちに強い組織を作っていきましょう!