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夫婦間のお金の移動、実は「贈与税」の対象?
海外移住なら課税されないって本当?

「夫婦なんだから、お金をどう動かしても自由でしょ?」と思っていませんか?実はその認識、税務調査で痛い目を見るかもしれません。たとえ長年連れ添った夫婦間であっても、多額の資金移動は「贈与税」の対象になります。

最近は円安の影響もあり、資産を守るために海外へ移住される経営者の方も増えています。「海外に行けば日本の税金から逃れられる」という噂を耳にすることもありますが、現実はそう甘くありません。今回は、夫婦間の贈与と、よくある「海外なら非課税」という誤解について解説します。

基本ルール:夫婦でも「贈与」は発生する

まず大前提として、日本の法律では、年間110万円を超える財産をもらった場合、贈与税がかかります。これは親子間だけでなく、夫婦間であっても全く同じです。

例えば、夫の口座から妻の口座へ「へそくり」として500万円を移動させたり、夫のお金で妻名義の不動産を購入したりすれば、それは立派な贈与です。「生活費」として必要な分だけを渡している場合は非課税ですが、使いきれずに貯金に回ると課税対象になるリスクがあります。

Aさん
先生、実は私たち夫婦、来月からシンガポールに移住するんです!向こうにいれば、妻にどれだけお金を渡しても日本の税金はかからないんですよね?

それは非常に危険な誤解です!海外に住んでいても、日本の贈与税がかかるケースは山ほどありますよ。
税理士

Aさん
えっ、そうなんですか?海外の財産なら日本に関係ないと思ってました…。

実は「10年ルール」という厳しい壁があるんです。移住してすぐには税金の網からは逃れられません。
税理士

海外にいても逃げられない「10年ルール」

日本の税務署は、富裕層の海外資産への課税を年々強化しています。その代表的なものが、贈与税・相続税における「10年ルール」です。

簡単に言うと、贈与する側(あげる人)と受贈者(もらう人)のどちらか一方でも、過去10年以内に日本に住所があった場合、海外にある財産の受け渡しであっても日本の贈与税が課税されます。

【専門用語解説:国内財産と国外財産】

「国内財産」とは日本の不動産や日本企業の株式などを指し、これはどこに住んでいようが必ず日本の税金がかかります。一方、「国外財産」は海外の不動産や海外銀行の預金などです。10年ルールは、この「国外財産」にまで日本の税金をかけるための網なのです。

完全に課税されないためのハードル

つまり、海外にある財産について日本の贈与税をゼロにするためには、以下の条件をクリアしなければなりません。

  • 贈与する人(夫など)が、海外に住んでから10年以上経過していること
  • 贈与を受ける人(妻など)も、海外に住んでから10年以上経過していること(※日本国籍がない場合などは例外あり)

「来月移住するから大丈夫」というのは大きな間違いで、移住後10年間は、世界中どこにある財産を贈与しても、日本の税率(最高55%)で課税される可能性が高いのです。

「住所」の判定は実態で決まる

さらに怖いのが「住所」の判定です。住民票を抜いて海外に行ったとしても、実態として日本に生活の拠点(家族が日本にいる、日本の家を頻繁に使っているなど)があると判断されれば、税務上は「日本居住者」として扱われます。

実際に、形式的に海外移住したものの、実態は日本にあったとして、巨額の追徴課税を受けた事例も少なくありません。税務署はパスポートの出入国記録やクレジットカードの利用履歴まで徹底的に調査します。

まとめ:自己判断せず、専門家に相談を

夫婦間のお金の移動や、海外移住に絡む税務は、ネット上の古い情報や噂話を信じると取り返しのつかないことになります。

特に海外資産については、為替の変動リスクだけでなく、各国の税制や租税条約も絡んでくるため、非常に複雑です。

「家族だから大丈夫」「海外だからバレない」と考えず、大きな資金移動やライフプランの変更がある際は、必ず事前に税理士へご相談ください。正しい知識で資産を守り、安心してビジネスと生活を楽しみましょう。

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