結論から言います。「遺言書(ゆいごんしょ)」は、死後に財産を分けるための書類ではありません。あれは、残された家族が喧嘩をしないようにするための「最後のラブレター」です。
「うちは大した財産もないし、家族仲も良いから関係ない」と思っていませんか?実は、その油断こそが、大切な家族を引き裂く泥沼の「争族(そうぞく)」を引き起こす最大の原因なのです。
衝撃の事実:トラブルの7割以上は「普通の家庭」で起きている
相続争いというと、ドラマのように大豪邸に住むお金持ちの話だと思われがちです。しかし、裁判所の司法統計によると、遺産分割事件(相続の揉め事)のうち、遺産額が5,000万円以下のケースが全体の約75%を占めています。
つまり、相続トラブルは「資産家」の問題ではなく、ごく「一般的な家庭」の問題なのです。
【注意】「とりあえず書く」はNG!無効になるリスク
「よし、じゃあ今すぐ紙に書いておこう!」と思った方、ちょっと待ってください。遺言書には厳格な法律のルールがあります。
自分で書く「自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)」は、手軽ですが非常に危険です。日付の書き忘れ、押印がない、内容があいまい…ほんの少しのミスで、法的に「無効」になってしまうケースが後を絶ちません。
せっかく家族を想って書いたのに、それが無効だと分かった時、かえって大きな混乱と争いを生んでしまいます。
プロが勧める最強の方法:「公正証書遺言」
私たちが強くおすすめするのは、「公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)」です。これは、公証役場という公的機関で作成するプロ仕様の遺言書です。
公証人(法律のプロ)が、あなたの意思を聞き取って作成する遺言書のことです。原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの恐れがなく、形式の不備で無効になることもほぼありません。家庭裁判所での「検認(けんにん)」という面倒な手続きも不要になるため、残された家族の負担が圧倒的に軽くなります。
費用は少しかかりますが、「確実な安心」を買うと思えば決して高くありません。これで「遺言書が見つからない」「本人が書いたものか怪しい」といった争いの火種を完全に消すことができます。
元気な「今」しか、家族を守れない
遺言書は、認知症になって判断能力がなくなってからでは作ることができません。「まだ早い」ではなく、「元気な今だからこそ書ける」のです。
ご自身が築き上げてきた大切な資産を、どう家族に引き継ぎたいか。その想いを法的な効力のある形に残してください。それが、あなたが家族にできる最後の、そして最大のプレゼントになります。
書き方や内容に迷ったら、まずは私たち専門家に相談してください。あなたの想いを、確実に形にするお手伝いを全力でさせていただきます。家族の笑顔を守るために、今日から一歩を踏み出しましょう!