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Column

決算賞与の「通知」ミスで節税が水の泡!?
電子メール通知の意外な落とし穴

決算直前の節税対策として王道の「決算賞与」。今期中にキャッシュが出ていかなくても、要件さえ満たせば今期の経費(損金)にできる、非常に使い勝手の良い手法です。

しかし、この「要件」の解釈を甘く見ると、税務調査で「全額経費として認められない(否認される)」という最悪の事態を招きます。特に最近増えている「電子メールでの通知」や「支給対象者の条件設定」には要注意です。

「払ってないのに経費」にするための絶対条件

まだ現金を支払っていない決算賞与を経費にするためには、決算日(事業年度終了の日)までに以下の3つを完了させる必要があります。

  • 支給を受けるすべての使用人(社員)に対して
  • 各人ごとの支給額を通知
  • 決算日の翌日から1ヶ月以内に支払うこと

ここで問題になるのが「通知」のやり方と、「誰に通知するか」です。単に「ボーナス出すよ!」と言うだけではダメなのです。

Aさん
先生!今期は利益が出たので決算賞与を出します!社員全員にメールで通知しておきました。念のため「支給日までに辞めた人には払わない」って書いておけば安心ですよね?

社長、ちょっと待ってください!その「辞めた人には払わない」という条件と、「メール通知」の組み合わせ、否認されるリスクが特大ですよ!
税理士

Aさん
えっ!?払うって決めたのにダメなんですか?決算日は日曜日だから、メールのほうが確実だと思ったのに…。

実は、「決算日が休日」の場合のメール通知には、法的な落とし穴があるんです。詳しく解説しますね。
税理士

落とし穴①:「もし~なら払わない」はNG!

多くの会社で「支給日に在籍していなければ賞与は支給しない」という支給規定があると思います。しかし、決算賞与を未払計上する場合、この条件(専門用語で停止条件といいます)をつけることはできません。

【専門用語解説:停止条件】

「もし将来○○したら効力が発生する(または消滅する)」という条件のことです。決算賞与の場合、「支給日に在籍していたら払う(退職していたら払わない)」という条件をつけると、決算日時点では「本当に払う義務があるか確定していない」とみなされ、経費として認められなくなります。

つまり、決算日までに通知した相手には、たとえその後退職したとしても支払う義務が確定している必要があります。「退職者には払いたくないから通知しない」という調整も、対象者の選定基準が曖昧だと「同時期に支給を受ける全ての使用人に通知」という要件を満たさないと判断されるリスクがあります。

落とし穴②:決算日が「休日」のメール通知

ここが盲点です。決算日が土日祝日の場合、会社はお休みですよね。そんな日にメールで「賞与通知」を送った場合、果たして「通知した」ことになるのでしょうか?

民法上、通知は相手に「到達」して初めて効力を持ちます。そして電子メールの場合、相手がメールボックスを確認できる状態(了知可能な状態)になった時が到達と解釈されます。

休日に送ったメールは「到達」していない?

もし決算日(休日)にメールを送信しても、社員さんが会社のパソコンを開かず、メールを見なかったとしたらどうでしょう?
税務的には「休日にメールを送っても、社員が見ていなければ通知が完了していない」と判断されるリスクがあるのです。

「月曜日に見ればいいじゃないか」と思うかもしれませんが、それでは「決算日(日曜日)までに通知」という期限を過ぎてしまいます。税法の期限の特例(休日なら翌日でOKというルール)は、この通知には適用されないと考えられています。

鉄則:アナログこそ最強の防衛策

せっかくの節税対策を無駄にしないために、以下の対策を徹底してください。

1. 通知は「書面」で「受領印」をもらう

電子メールは便利ですが、「見た・見てない」「迷惑メールに入っていた」などのトラブルがつきものです。確実なのは、紙の通知書を手渡しし、その場で受領印をもらうことです。これなら税務調査で「いつ、誰に通知したか」を完璧に証明できます。

2. 対象者を明確にし、条件をつけない

未払計上するなら、「退職者不支給」の規定は適用せず、通知した全員に必ず支払う覚悟が必要です。それが嫌なら、無理に未払計上せず、実際に支払った来期の経費にする方が安全です。

3. 決算日より前に余裕を持って行う

ギリギリを攻めるのは危険です。決算日が休日なら、その前の営業日までに通知を完了させましょう。

「たかが通知」と甘く見ず、形式を整えることこそが、会社のお金を守る第一歩です。不安な場合は、通知書のひな形作成からお手伝いしますので、いつでも頼ってくださいね!

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