個人事業主やフリーランスの皆様、確定申告の作業はいかがでしたか?「昨年は売上が上がって、過去最高の利益が出た!」と喜んでいる方、少しだけお待ちください。確定申告で申告した「所得(利益)」が上がると、翌年の国民健康保険料(国保料)が恐ろしいほど跳ね上がるというトラップが待ち受けています。
最近は物価高やインフレの影響で、ただでさえ事業の固定費や生活費が上がりがちです。この国保料の負担増を事前に計算に入れておかないと、数ヶ月後に手元の資金が一気に枯渇してしまう危険性があります。
この記事は、主に「国民健康保険」に加入している個人事業主やフリーランスの方向けの内容です。お勤め先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している方は、お給料をベースに保険料が計算され、毎月天引きされる仕組みとなっています。そのため、副業などで事業所得が増えたとしても、会社の社会保険料がそれに連動して急激に跳ね上がることはありませんのでご安心ください。
なぜ「忘れた頃」に高額な請求が来るのか?
国民健康保険料は、前年の1月〜12月の所得を基準にして計算されます。そして、その新しい保険料の納付書がポストに投函されるのは、確定申告が終わってすっかり一息ついた「6月頃」なのです。
つまり、「去年は儲かったから、事業の設備投資や自分へのご褒美に使おう!」と手元のお金を使ってしまった後に、容赦なく高額な保険料の請求がやってくるというタイムラグが最大の罠です。
利益が出た年こそ「翌年の保険料」を予測する
国民健康保険料には、支払いの限界ラインとして上限額が設定されていますが、年々この上限額自体も引き上げられる傾向にあります。お住まいの自治体にもよりますが、上限に達すると年間で100万円近い負担になることも決して珍しくありません。
国民健康保険料の計算において、「これ以上は請求しませんよ」と決められている年間の上限金額のことです。医療分・後期高齢者支援金分・介護分(40歳以上)を合わせると、現在はこの上限額だけでも非常に高額に設定されています。
資金繰りショートを回避する2つの防衛策
この「国保料UP」による資金ショートを防ぎ、安心して事業に集中するためには、以下の対策が必須です。
1. 所得控除をフル活用して「ベースの所得」を下げる
小規模企業共済(経営者のための退職金積み立て制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを活用するのが王道です。将来の自分のための備えをしながら、その年の「所得(国保料の計算のベースとなる金額)」を合法的に引き下げることができます。利益が出た年こそ、こうした制度への加入や増額を検討しましょう。
2. 「保険料専用口座」にお金を避難させる
確定申告が終わったら、お住まいの市区町村のホームページ等で公開されている計算シートを使い、翌年の国保料の概算を出してみましょう。そして、その金額を事業用のメイン口座から別口座へ移し、絶対に手を付けないようにします。
事業を長く、そして元気に続けていくためには、「売上を上げること」と同じくらい、「出ていくお金を予測してしっかり守ること」が重要です。今年の利益は、まずは来年の税金と保険料のために確保し、計画的な事業運営を目指していきましょう!自社の適切な対策について不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。