「まさか私のインスタグラムなんて、税務署が見てるわけないでしょ?」そう思って、高級車の納車報告や豪華なディナーの写真をアップしていませんか?
結論から言います。税務署は、あなたのSNSを見ています。
SNS全盛の今、税務署の情報収集能力は飛躍的に向上しています。赤字決算なのに派手な生活をしている経営者や、副業収入を隠している個人事業主にとって、SNSはまさに「自白ツール」になり得るのです。
税務署には「情報収集専門チーム」がいる
国税局には「情報収集」を専門とする部隊が存在します。彼らの仕事は、インターネット上のあらゆる情報を収集・分析することです。X(旧Twitter)、Instagram、Facebookはもちろん、個人のブログやYouTube、さらにはマッチングアプリのプロフィールまでチェック対象になり得ます。
彼らが探しているのは、ズバリ「申告内容と生活実態のズレ」です。
KSKシステムが「異常値」をあぶり出す
「でも、どうやって数多くの投稿から私を見つけるの?」と疑問に思うかもしれません。ここで登場するのが、国税庁が誇る巨大データベース、通称「KSKシステム」です。
全国の国税局・税務署をネットワークで結んだ巨大なコンピューターシステムのこと。個人の申告状況、過去の税務調査の結果、不動産や車の所有情報などが一元管理されています。このデータと、業種ごとの平均利益率などを比較し、「売上が不自然に少ない」「経費が異常に多い」といった納税者を自動的にピックアップする仕組みがあります。
このKSKシステムで「怪しい」とフラグが立った納税者に対し、調査官は事前の身辺調査(内観調査)を行います。その際、真っ先に見られるのが、誰でもアクセスできるSNSなのです。
特に狙われやすい「NG投稿」3選
無防備な投稿が命取りになります。以下のような投稿は、税務調査のリスクを跳ね上げます。
- 「現金商売」アピール:「今日も満員御礼!現金のみのイベント大盛況!」といった投稿。売上の除外(脱税)を疑われやすくなります。
- つじつまの合わない贅沢:申告所得が低いのに、頻繁な海外旅行やブランド品の購入を自慢する投稿。資金の出所を追及されます。
- 副業の羽振り自慢:「副業だけで月収100万達成!」といった情報商材的な投稿。無申告であれば一発アウトです。
税務調査を恐れないための唯一の方法
税務署の情報収集能力に怯えて、「SNSをやめるべきか」と悩む必要はありません。SNSは現代のビジネスにおいて強力な集客ツールであり、活用しない手はないからです。
大切なのは、「見られても恥ずかしくない申告」をすること、ただ一点です。
プライベートの支出を無理やり経費にしたり、売上を隠したりしなければ、どれだけ派手な投稿をしても堂々としていられます。むしろ、「儲かっているアピール」をするなら、それに見合った税金を払う覚悟が必要です。
「過去の投稿、ちょっとマズいかも…」「経費の線引きが不安になってきた」という方は、調査の連絡が来る前に、私たち税理士にご相談ください。税務調査は「来たら終わり」ではありませんが、事前の準備と適正な修正申告が、あなたと会社を守る最大の盾になります。