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「給付付き税額控除」とは?
定額減税の次の一手を速攻解説!

最近、ニュースや新聞で「給付付き税額控除」という言葉をよく耳にしませんか? これは、令和6年に行われた「定額減税」の次の経済対策として、今まさに政府・与党で活発に議論されている新しい支援の形です。

結論から言うと、これは「納める税金が少ない人にも、減税の恩恵がしっかり届くように『給付(現金支給)』もセットで行う仕組み」のこと。なぜ今これが注目されているのか、経営者や個人事業主の皆さんへの影響も含めて、分かりやすく解説します!

「給付付き税額控除」のキホン

名前が少し難しそうですが、分解すればカンタンです。

  • 税額控除:計算された税金(例:所得税10万円)から、直接金額を差し引くこと。(例:税額控除3万円なら、納税額は7万円に減る)
  • 給付付き:もし「納める税金が1万円」の人が「税額控除3万円」の対象になった場合、税金は0円になります。この時、控除しきれなかった差額(2万円)を現金などで支給(給付)する仕組みです。

【専門用語解説:税額控除 vs 所得控除】

よく似た言葉に「所得控除(例:医療費控除、配偶者控除)」があります。これは税金を計算する「前」の所得(儲け)から差し引くものです。一方、「税額控除」は税金計算の「後」で、税額そのものから引くため、一般的に減税効果がよりダイレクトで大きいのが特徴です。

なぜ今、この制度が注目されるのか?

最大の理由は、令和6年に行われた「定額減税」の課題をクリアするためです。

定額減税は、所得税や住民税を納めている人が対象でした。そのため、所得が低く、そもそも税金を納めていない(あるいは非常に少ない)方々は、減税の恩恵を十分に受けられませんでした。

また、従業員の給与から毎月減税額を計算する「月次減税」という仕組みは、全国の企業の経理担当者にとって、非常に複雑で大きな事務負担となったことも、大きな反省点として挙げられています。(皆さんの会社でも大変だったのではないでしょうか?)

そこで、より公平に支援を届け、かつ、企業の事務負担も減らせる持続的な仕組みとして、この「給付付き税額控除」に白羽の矢が立っているのです。


経営者
先生、また新しい減税の話ですか? この前の定額減税、ウチの経理担当が悲鳴を上げてましたよ…。毎月の給与計算が本当に大変で。

社長、本当にお疲れ様です。あの事務負担は深刻でしたよね。まさにその反省から、今(R7.11月)議論されている「給付付き税額控除」は、やり方が変わりそうですよ。

税理士

経営者
ほう。「給付付き」ってことは、税金が安いパートさんにもメリットがある? で、経理の負担は…?

その通りです!税金を払っていない方にも給付が期待できます。事務負担については、定額減税のような毎月の処理ではなく、年末調整で一括処理する形が有力です。これなら経理負担はかなり軽減されるはずです!
税理士

経営者・個人事業主への影響は?

この新制度が導入された場合、経営者や個人事業主の皆さんには、主に2つの側面から影響がありそうです。

1. 事務負担(経理)の大幅な軽減

もし年末調整で一括処理する仕組みになれば、令和6年の定額減税で発生したような「毎月の給与計算での複雑な控除事務」は発生しない見込みです。これは企業にとって非常に大きなメリットと言えます。

2. 従業員(特に低所得層)の支援強化

パートやアルバイトなど、扶養の範囲内で働く方々や、新入社員など所得がまだ高くない従業員に対しても、「給付」という形で支援が届きやすくなります。従業員の生活が安定することは、離職率の低下や社内の士気向上にも繋がり、巡り巡って会社の力になります。

3. 個人事業主自身のセーフティネット

もちろん、個人事業主の方ご自身も対象です。売上が不安定な年や、起業直後で所得が低い年には、税金の負担が減るだけでなく、さらに「給付」を受けられる可能性があり、事業を継続するためのセーフティネット(安全網)として機能することが期待されます。

今後の動向に注目!

この「給付付き税額控除」は、令和7年11月現在、まさに議論の真っ最中です。財源をどうするか、具体的な対象者や金額をどう設計するかなど、多くの論点があります。

今後のスケジュールとしては、今年末(令和7年12月)に発表される「令和8年度税制改正大綱」で、その具体的な内容が固まってくる見通しです。

デフレ脱却の正念場とも言える今、この新しい制度が本当に効果的なものになるか、私たち専門家もしっかりと最新情報をキャッチしていきます。経営者の皆さんも、ご自身の事業と従業員の生活を守るため、この国の新しい「お金の流れ」にぜひ注目し続けてください!

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